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レポート

及川電機プロジェクト

地域新生の"エンジン"として-石巻の水産業を支える船舶機器業者のさきがけ再起

2012年03月26日

宮城県の海岸線のほぼ中央に位置する、石巻市。沿岸部のほぼ中心にある石巻漁港は、世界三大漁場の一つの北西太平洋漁場の一角として知名度の高い、金華山・三陸沖の中核の漁港です。豊富な水産資源を活用した養殖・沿岸漁業、水産加工業、水産物流通の拠点として、江戸時代以降、地域経済の核として、発展してきました。

及川電機は、その石巻漁港にほど近い、川口町に本社・工場を構えています。昭和23年の創業以降、船舶電気機器の修理・メンテナンス、艤装(ぎそう:船舶運航に必要な機器類の取り付け)を手がけ、年商は1億を超えています。

15名の役職員の中には、数十年の経験を有する熟練の職人もおり、船舶・漁船の電気動力機械関係の対応を一手に引き受けられる技術力が強みです。また、大手企業グループなどの電気動力機械関連の受注、海外への出張修理にも対応するなど、業務は多岐に及んでいます。

東日本大震災により、及川電機も甚大な被害を受け、工場設備、車両など社有資産はほぼ毀損、辛うじて残ったのは、借りていた倉庫の建屋のみでした。地域の同業者も、及川電機と同じように、壊滅的な被害を受けました。

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社長・及川幸八氏は、石巻地区の造船・造船関連業者32社で構成する協議会の会長を務めています。震災後、地域新生の旗振り役として、いち早くスタートを切りました。造船・造船関連業協議会の会長として、助成金の受け入れ、共同利用設備の購入など、各種調整にも対応してきました。

自社においては、従業員自ら「(事業を)早く再開させましょう」との声が挙がり、それに背中を押され、残った倉庫を最低限補修して、震災後わずか数ヶ月で、業務を再開しました。機械工具類は自力で製作するなどして、浸水した中小船舶などのモーターの塩抜き洗浄や、動力・電気機器の修繕・整備などの需要に対応しています。また、地域の若年層を積極的に採用するなど、雇用の確保・維持に取り組んでいます。全社一体となった取り組みが実を結び、現在、震災前の80%近くにまで、受注・売上が回復しています。

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その一方で、増える需要に対応するためには、必要な設備機器の整備や、さらには、本工場の再建が必要となっています。ただ、新たな資金を調達すると、二重ローンを抱えることになってしまいます。復興への歩みを加速させるにあたり、金融面で大きな課題に直面しています。

「震災特需により社員の手に余る程の受注があり一見安定しているように錯覚しがちですが、特需は一時しのぎでしか無く、地域産業のコアとなるべき企業の正常化なくしては地域復興もおぼつかないし、私達の未来も見えてきません。しかし、その正常化が早く進むためにも、私達は自分達の技術を精一杯活かさなければならないと頑張っております。各種の助成により被災企業の設備も整いつつあります。回復して来た力の結集を図り、その相互作用を大きな推進力として復興をめざします。」

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このような再起のさきがけの存在が原動力となり、地区の同業者が一丸となって、地域新生に向けた歩みを加速していくことが期待されます。その及川電機が、東北共益投資基金が支援する第三号案件です。私募債を引き受け、復興需要への対応の加速に必要な設備資金を拠出するほか、新たに設ける経営会議において当基金の関係者が経営参与として参画するなど、経営支援も行っていきます。

東北共益投資基金では、石巻地域の漁業と水産加工業の生産活動の環をつなぐ造船・造船関連業者の機能の復興の取り組みを、支援していきます。

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