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レポート

onagawa factoryプロジェクト

小さな復興プロジェクトから生まれた産業の確立を目指してー㈱onagawa factory 湯浅輝樹さん

2015年04月09日

宮城県牡鹿郡の女川町は、豊富な魚種が数多く水揚げされる“漁業のまち”です。しかし、東日本大震災の被害による津波の被害は甚大で、町内の7割の建物が流され、漁港や水産加工施設も壊滅状態となりました。震災以前より仕事上で取引の深かった女川町に対してなんとか復興の手助けができないかと思い、震災後1か月後に「小さな復興プロジェクト」いう団体を立ち上げ、まだまだ世の中が現実に起こった災害を理解できないでいる状況の下、『魚が取れないなら作ってしまえ!』といった前向きなキャッチコピーで活動をスタートしました。

このプロジェクトは、魚がとれるようになるまでのあいだの地元の方の収入の確保と、避難生活のストレスの軽減などを目的とし、木でできたお魚のキーホルダー『onagawa fish』の作製をするというものです。onagawa fishの特徴は、ずっと触っていたくなるようなすべすべ感。これを出す為には、木片を削って魚の形にして、ヤスリで磨き、塗装をして…と何段階もの工程があり、職人技とも言える技術が必要とされます。もともとは水産加工の工場などで働いていた地元の主婦を中心にした工房の作り手が、木工職人の厳しくも丁寧な指導で取得した技術により、一つずつ愛情をこめて製作しています。そしてその事が評価され、震災からしばらくの間は当初目標である、被災者のストレスの軽減と収入の確保を維持することができました。

 

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     (機械でひとつひとつ削り出していく)       (やすりで磨いてすべすべの木肌にする)

しかし、震災から2年が経った頃には世の中の震災の話題も徐々に減り始め、それに比例する形で売上が低下し、働くスタッフたちにもいつまで続けられるのか、いつになったら女川に産業が戻ってくるのか、社会保障の問題、母子家庭の養育の問題などといった不安が広がり始めました。

それらの不安を少しでも減らすべく、社会保険に加入できるようにプロジェクト団体を法人化し、より一層働きやすい仕事場づくりに励んだにも関わらず、売上の低下は否めず、予定していた機材の導入や、冷暖房の整った作業場の確保ができずに困っていたところ、東北共益投資基金様の投資のお力添えを頂き、無事に機材の導入を果たし、より働きやすい環境づくりが可能となり、商品構成の幅も広がったことによる売上低下の防止に繋がっただけではなく、なにより、働き手に笑顔が戻りました。

それからまた2年が経って、震災から5年目を迎えたいま、女川町もようやく新しい駅舎が完成し、まちびらきのイベントを開催して復興が進んでいるという喜ばしいニュースの陰で実は、駅の周りには全く何もなく、世の中の復興支援色はますます薄まり、被災地へ目を向ける方も減り、政府の集中復興機関も15年度で終了となる現実が住民の不安を招いてしまっています。

しかしながら我々は、4年間培ってきた技術や経験を生かし、応援して下さった沢山の方々に『応援してよかったな!』と思われるよう改めて前を向き、現在は新たなデザイナーを迎え入れた商品作りや、プロ野球選手の折れたバットの再生商品の製作、また、地元の手工芸職人とのコラボレーションによるあらたな商品作りをスタートしました。

 

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     (テープホルダーも新たに製作)  

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          (プロ野球選手から頂戴した折れたバットからキーホルダー製作も) 

 

この先は、本当の意味で自立していかなければいけません。そのためには何より、応援して下さった多くの方の思いを形にし、女川町の最高の町づくりの一助を担うのが我々㈱onagawa factoryのメンバーの使命と認識し、さらに上を目指して活動して参りたいと考えております。そしていつか、復興の象徴としての企業となれるよう、弛まぬ努力を続けて参りますので、今後ともご指導いただけますよう、心よりお願い申し上げます。

 

株式会社onagawa factory    湯浅  輝樹

(onagawa factoryの商品はこちらから⇒http://aura.ocnk.net/product-list )

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