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レポート

TATAKIAGE Japanプロジェクト

TATAKIAGE Japan・理事長の松本丈さんのごあいさつと近況のご報告

2013年12月12日

NPO法人TATAKIAGE Japan理事長の松本丈です。

私のいる福島県いわき市は、3.11と原発事故により、かなり特殊な状況が続いております。放射能による汚染や風評被害があり、安全の基準が人によって違うので家族や学校内で不和が起こり、相双地区(福島県の相馬・双葉両地域)からの避難者で2万人以上人口が増えたことによる住宅不足や医療機関のパンクが起こり、駅前は原発・除染関連の作業員の方が寝泊りする復興拠点となっていてホテルはいつも満室であるなど、数えればきりがないほど、震災前とはがらっと状況が変わってしまいました。ただこうした問題は、見えにくい形で問題が個別化・細分化しており、街の様子はすっかり復興をして震災などなかったかのように一見普通に見えます。ただ、実際には見えにくいだけで、原発の廃炉まで何十年と、福島は困難や問題と向き合い続けなくてはならない、それが福島の現状です。

 

それでも、この地域を守り住み続けるには、街の未来を見据え、どうにか前を向いて進まなくてはなりません。震災があったからこそ、街の状況がよくなったと笑って言えるように、チャレンジをし続けようと思っています。

 

我々は、2011年11月、被災した飲食店や、震災を機にチャレンジしようという起業家やUIターンする方々を集め、ピンチをチャンスに変え復興を越えた新たな街づくりを行おうと「復興飲食店街 夜明け市場」をオープンさせました。初め2店舗だったところから、今では11店舗にまで成長しました。

 

resize夜明け市場.jpg

 

そして、飲食業以外のプレーヤーの活動もサポートすることで、福島の課題解決を加速させ、日本の未来を担う人財をここ福島から輩出しようと「NPO法人TATAKIAGE Japan」を設立し、2013年7月に、夜明け市場の2階でコワーキングスペースの運営を開始しました。東北共益投資基金様からの支援金は、このコワーキングスペースの建設費に充当させて頂き完成いたしました。本当に有難うございました。

 

resizeコワーキングスペース.jpg

 

私たちは、志あるプレーヤー達が、地域に受入れられ活動を行う際に、地域側の受け皿になること、そして、世界の英知を集結させ、福島の課題を解決するためのプラットフォームになることを目指しています。

 

それは、我々がUターンして事業を開始したときの経験が元になっています。夜明け市場を立ち上げた2年前、我々はいわき市出身ではありましたが、頼れる人も資金もほとんどなく、想いだけはありましたが、まさに右も左も分からない状態でした。そんなときに出会った地元の商店会長をはじめとした地域のキーマンの方々の支えがあったからこそ、我々は今こうして事業を軌道に乗せることができました。この経験があるからこそ、地域に一定の認知と信頼を頂いた我々が、今度は受け入れる側になることで、想いのある方をサポートし、地域を盛り上げる力になれればと考えるにようになりました。

 

また、今の福島は、世界一多くの課題を抱える場所であり、福島の課題解決は、きっと世界が参考にできる先進事例になるであろうと思っています。震災や原発事故が起こったことで、風評被害などの実害が起こっただけでなく、もともと抱える少子高齢化や人口流出、地域ブランドづくりや商品の差別化といった課題がより鮮明に浮き彫りになり、どちらも同時に解決していかなければならない状況が生まれています。このことは、見方を変えれば、大きなチャンスでもあり、課題解決のアイディアは起業の機会でもあります。そして、この逆境の地から生まれるイノベーションは、多くの地域が直面している課題へのヒントを多く含んでいると思っています。福島は、どん底に落ちたからこそ、市民も行政も企業も、それぞれの立場を超えて協力して社会をつくっていこうという意識が芽生えており、平常時なら様々な立場やしがらみがあって越えられなかった壁を超える可能性を持っています。よりよい社会をつくる為の実験が福島だからこそ出来、福島を突破口として世界の未来をつくっていけると考えています。だからこそ、福島の課題を、福島だけの課題として終わらせるのではなく、県外や世界の方とも共に取組みたい、そのプラットフォームにTATAKIAGE Japanがなりたいと思っています。

  

このような理念のもと、県外の多くの団体とも協働し、福島の課題解決のための起業家育成がすでに始まっています。アクセンチュア株式会社コーポレートシチズンシップ「若者の就業力・起業力強化」チームや、Googleが中心となったイノベーション東北との連携は、よりよい社会づくりの為に全国の力を集結させて取り組む先行事例となっています。

参考:アクセンチュア株式会社コーポレートシチズンシップ

http://www.accenture.com/jp-ja/company/overview/pages/corporate-citizenship.aspx

参考:イノベーション東北

http://www.innovationtohoku.com/

 

また、地元農家とコラボレーションした6次化商品の開発も始まりました。100%いわき産の野菜スムージーHyaccoi(ひゃっこい)は、風評被害対策を越えた食のブランディング事例として進めております。詳しくは以下のリンクをご覧下さい

http://p.tl/trlv

http://www.challengestar.jp/project/s/project_id/17

 

resizeHyaccoi.jpg

 

いわきでの事例を他地域に活かしたいという声に応え、他県の商工会や企業の研修などでお声がけを頂くことも増え、コワーキングスペースにて講演させて頂く機会も増えました。

以下、講演させて頂いた団体様です。

・2013/10/23 秦野商工会 様

・2013/7/27 キリン絆プロジェクト×丸の内朝大学「復興プロデューサーカリキュラム」様

・2013/7/6 株式会社コスモスモア 様

・2013/7/2 凸版印刷株式会社 様

・2013/6/7 株式会社リクルート住まいカンパニー 様

 

resize研修風景.jpg

 

これら夜明け市場からTATAKIAGE Japanへと続く一連の活動は、「街の活性化はそこに働く人たちの活気をつくる事が何より重要」(審査委員コメント)と、高い評価をいただき2013年のグッドデザイン賞を受賞しました。また、2013年ふくしまベンチャーアワードでも最高賞である金賞を頂くことが出来ました。

 

resizeグッドデザイン賞.jpg

 

resize福島ベンチャーアワード.jpg

 

このように、まだまだ試行錯誤をしながらではありますが、多くの方と協働をしながら、福島での起業家育成を実行しております。

 

そして、我々はただの支援者ではなく、あくまで同じプレイヤーの一人です。福島が抱えるローカルでありながら、ある種グローバルな課題を、起業家達と切磋琢磨しながら、共に解決していきたいと考えています。

 

これからも応援どうぞよろしくお願いいたします。

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