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【ニュース】連載コラム第8回-森川祐亨さん「被災地での経営支援の取り組みと課題」

2012年06月06日

「外貨」を稼ぐ。そのために新たな資本を被災企業のビジネスに取り込む。これが復興の鍵であると考える。

被災地の人は、被災地外での稼ぎを「外貨」と呼ぶ。復旧を超え、復興を果たすために、この「外貨」が必要とされている。

私は、約10年間、大手監査法人にて企業再生・M&Aを中心とした業務を様々な規模のクライアント企業に提供している。その中には、東北地方に拠点を置く企業も含まれる。また、東北地方を基盤にもつ金融機関にお世話になっている。震災発生後から、東北産業復興のため、専門家として何ができるかを必死に考えていた。

被災地を訪れたのは、連休明けだった。現地入りした私は、衝撃を受けた。

被災地では、産業の環が寸断されていた。

たしかに、個別企業の中には、補助金・保険金・制度融資などで、いち早く設備を復旧し、再稼動にこぎつけているところもあった。

しかし、原材料が入らない(港湾未復旧)。保管場所がない(冷蔵倉庫がない)。周辺産業の再開目処がたたない(たとえば、フカヒレ加工工場の周辺に、魚肉部分の処理工場が存在していたが、これらの工場は被災している)。当面の販売計画がたたない(たとえば、取引先にて今年度分の他社手配を完了済)。一企業の努力がおよばないところで、事業価値の毀損が発生していた。

もっとも深刻なのは、販売先の喪失・販売量の減少である。設備復旧したとしても、従前の生産量を達成できる企業はわずかであり、一方で、販売先には海外を含めた同業他社からの売込みがたえない。仮に、生産能力の復旧がかなったとしても、現在の競争環境では販売量すなわち売上高の復旧は困難を極めるだろう。

復旧を超え、復興を果たすためには、企業としての成長戦略が必要である。それは殆どのケースにおいて、販売戦略であり、販売チャネルであり、新商品であると考える。そして、この成長戦略実現のため、新たな資本が必要とされるのである。

プライベートブランドの開発、売り込み、新しい販売チャネル、海外を含めた大消費地にいかに買って頂くか。成長のため、新しい一歩を踏み出す必要がある。そして、新しいことを始めるのだから、ある程度のリスクが伴う。このリスク負担力を強化するため、新たな資本が不可欠なのである。

正論ではある。しかし、この経済情勢下、誰がリターンを求めない資本を出すことができるのか。東北共益投資基金を知るまでは、そのように思っていた。被災企業の復興は、大いなる産業再生・地域再生につながる。東北共益投資基金には、新たな資本の出し手として、被災企業の成長戦略を支援し、共益経済の創出を図っていくことを期待している。

 

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